マイスターネット

「眠れる知財」を掘り起こすNPO法人

 

第17回講演会


開催: 2007年7月28日 15:00~18:00
講師: 橋本 壽之


最近マスコミで話題になっている企業の倫理観について、我が意を得たりと講師が熱弁をふるった
今回は2名の新規参加者があり、「大変難しい議論をしていますね」という感想があったが、それでも多くの人から意見が出て、白熱した議論が進められた。

  • 「企業倫理」に関する外国の動き
    • 最近日本でも「企業倫理」がやかましく言われるようになってきたが、米国では既に1950年代頃から色々な取り組みがされてきている。
    • 米国でも、「倫理を守っていたら業席は上がらない」という考えがあったが、苦情対応コストの増大と企業イメージの悪化を考えると、「企業倫理」に積極的に取り組んだ方が良いとの判断が主流になり、大学でも企業倫理を教えるようになっている。
    • そして、最近ではインド、タイ、中国等の大企業も積極的に取り組むようになってきているそうである。
  • 日本の動き
    • 一方、日本企業の取り組みは遅々としているようで、米国の大学の教科書では、日本のあるタイヤメーカーは悪い例として挙げられているそうである。
    • 出席者からは、その日本メーカーはむしろ頑張った方ではないかとの意見も出たが、問題に対する「説明責任」が十分ではなかったために、悪い評価に陥っているのではないかという指摘も出た。
    • もともと日本は、昔から「家訓」を制定するなど、規律を守る運動が盛んであったことからすると、現在は非常に危険な状態である。
  • 企業倫理とリーダーシップ
    • 「マネージャ」は与えられたルールで正しく行うのが任務であるが、「リーダー」は何が正しいかを判断して行動するのが任務とのこと。
    • 社員に対して権限委譲を進めて、問題情報を早く集めて判断し、外に向かって情報発信していくことが重要なようである。

更に詳しい報告内容を以下に示す。

    • 倫理とは?:倫理学には2つの立場がある。1つは、倫理を経験にもとづかない生得的に人間に備わる永遠不変とみるプラトンやカントに代表される立場。他は社会的合意による歴史的発展的なものとみるアリストテレスや近現代の英米系の立場である(広辞苑)。
      今回使った参考書(バリュー・シフト)は、ハーバード大学のビジネススクールで経営者育成のために作られたテキストのため、企業倫理に重点がある。 Value(守るべき価値)を倫理と日本語訳しているので、原義のまま使っている。



    • 日本は古来高い倫理観を持ってきたのではないか?:日本は、儒教、禅、武士道などにより崇高な人格養成に努めてきたので、多くの紳士淑女は君子として高い倫理観を持ってきたはずである。このような場合には、たとえ倫理観を喪失したとしても尊敬の対象からはずれても普通の人になるだけであり、犯罪を起こしたことにはならない。一方、君子以外の普通の人、やくざな「ならず者」が社会進出するようになると様相は一変する。社会に害を及ぼすので法で規制しなければならなくなる。倫理プログラムを制定し具体的に実施計画スケジュールを文書化し、チェックしその結果を文書に残しfeedbackをかける、という具体的なプロセス化は、欧米のカルチャーによる倫理運動と言える。現代日本では、後者の「ならず者」を対象にした倫理を考えざるを得ない状況になってきた。



    • 会社経営を長年してきた参加者の感想:倫理行動基準を作り頭では倫理の重要さは理解していたが、現実に実施することは困難だった。役員会の議事録は正式記録になるので、都合の悪いことは議題に取り上げずに経営数字に関する検討に限定してきた。



    • 株を買うときのひとつの目安として、収益性だけでなく、倫理への取組みも考慮するとリスク回避できる。倫理基準は時代とともに高くなるので、今は倫理的に問題なくても、潜在的な問題を抱えていると将来問題を起こして株価は暴落し倒産する危険があるから。



    • 日本で不祥事を起こすと、トップは再発防止に向け誠心誠意努めますと深々と頭を下げて土下座する。これでは、どのようにして誠心誠意、再発防止するのかそのプロセスが何も約束されていない。グローバル化が進む中、このような精神論だけでは国際社会から認められなくなるに違いない。
      マネージャーとリーダーの違い:マネージャーは正しく行い、リーダーは何が正しいかを判断して行動する。後者は、潜在化して未だ善悪が定まらないことがらにつき、常に意識を注力させておかねばならない。想定外のことが起こったと言い訳するのは、リーダーにあるまじき言動である。なぜなら先を読みきれていなかったことを自認するようなものだから。倫理については、社会における倫理の許容度は時代と共にハードルが高くなる傾向にある。



    • 米国では勤労者が至る所で、仲間同士で情報交換しながら株や会社の研究をやっている。単なる株の上下ばかりでなく、企業そのものの研究が大分進んでいるようだ。:米国で雇用者が株、会社の研究をやりだしたのは、401Kにより自己責任で年金基金の投資先選定、運用成績のモニタリングを行うようになってからのことである。いずれ日本でも、年金基金運用の自己責任が問われるようになると、雇用者の会社、株に関する意識は高まるものと思われる。
      世界的に、企業の説明責任、透明性、オープン性が重要視されてきたのも、その現れの一つか。



    • 中国の有害商品:米国では消費者の安全に対する関心が非常に高いため、中国製品を含まない「china Free」のラベルを貼らない玩具、食物は敬遠されている。



    • 子弟の英語教育:インド、オーストラリア、ニュージーランド等で子弟教育をする日本人家庭が増えている。



講演会レジメ

リーダーシップ講師業も板について、熱弁をふるう講師 新規聴講者も熱弁に耳を傾ける 講師、新規聴講者を囲んで

 

News Letter

文教大学講演会

NPOマイスターネットでは、大学とのコラボを目指していますが、過日、文教大学からリーダーシップに関する講演依頼がありましたので、下記の通り、同大学の情報学部の大学生を相手に講演しました。

 

テーマ:ソーシャル・マーケティング、大学から社会へ
~問われるリーダーシップとは~

日時:平成24年12月10日(月)13:20-14:50

場所:文教大学湘南校舎(茅ヶ崎)

レジメ:こちらです

 

講演後、何人かの学生から活発な質問があり、学生の関心の高さを実感しました。

今後も、このような大学とのコラボの機会を設けていきたいと思います。

講演会「リーダーシップ入門」

本NPO理事長の橋本氏が精力的に講演会を行っている。

去る11月18日にイーテクノ株式会社で企業向けリーダーシップ講演会を行い、コミュニケーションの重要性とリーダーシップのあり方について説いた。

講演内容はこちらです。

news_111118

 

講演会 「創造的な生き方の発見」

本NPO理事長の橋本氏が、7月29日に京橋会館で開かれた講演会で、「創造的な生き方の発見」という講演を行った。

「人間は本来80歳~90歳まで創造的な仕事をできるが、日本では制度がそれを阻んでいる。皆、それぞれテーマを見つけて頑張ろう」という主旨の講演でした。

講演内容はこちらです。news_4_1

マイスターネット5周年記念集を発行

マイスターネット設立から昨年末で5年を経過したのを記念して、その間の活動をまとめた「マイスターネット5年間の歩み」というパンフレットが5月に作成された。

 講演やワークショップなど60回を越す活動が題目と簡単な内容で紹介され、何枚かの写真で、雰囲気もうかがうことができる。

  

インドネシアから  頑張れえええええ 日本!

アイコア社の日本語指導をした時のフェルディカさんから東日本大震災の復興激励のメールが、3月末に届きました。

私はインドネシア語の勉強をお休みしていますが、「楽しいインドネシア語」の講座の皆さんに資料としてお渡しました。そしたら石橋さんが訳をしてくれたので、一緒にご紹介します。

インドネシア人の優しさ、彼の真摯な気持ちが伝わってきますね。                         (赤井記) 

Read more ...