第39回講演会


開催: 2009年9月5日 14:00~17:00
講師: 赤井 喜久枝



第39回のマイスターネット例会は、看護、介護に関心が高く、またインドネシアを2度訪問し、アイコア社のインドネシア技術者の日本語教育を担当した赤井講師による「インドネシアの看護師・介護士候補者たちはいま・・・」の講演であった。

2008年8月に、インドネシアから看護師・介護士候補者たち208名が来日されたが、これはEPA(経済連携協定)の下での「国際厚生事業団」によるあっせん事業である。日本政府は前面に立つことなく、あくまで裏方で支援する立場である。我々からすると、腰が引けているという印象をぬぐえない。
日本の看護・介護の人手不足と、インドネシアの就職難の両方を満足する事業として起こったが、看護師はすべて国の免許を持っているものの、「介護士候補者」は資格なし、訓練もほとんど訓練も受けずに来日して戸惑うケースも多いようである。
しかも、来日してから看護師は3年、介護福祉士は4年(3年の介護業務のちに受験資格)以内に国家試験に合格しないと、強制的に帰国させられてしまう。日本語が難しい上に、国家試験は日本人でも合格率50%しかないものを、3、4年以内に合格を義務つける真意は何であろうか。これを決めた人間は、逆に自分が他国で国家試験を受ける身になったら合格できる自信があるのであろうか。カナダでは、2年以上従事すると永住権を与える厚遇を与えるのと対照的である。帰国させるのが目的?と勘ぐられても致し方ない。
新聞報道によると、賃金については、交渉でインドネシア側は、最低賃金を求めたが、日本側は拒否。代わりに、看護師で20万以上、介護福祉士で17万5千以上の月給を希望していることを受入施設側に伝えることでまとまったとか。
彼らの印象は、日本人は親切、やさしいが、日本語は難しい、給与が条件通りでない、寒さ物価高など困ることも多い。

今回は、インドネシアに長年暮らし、現在も日本とインドネシアを半分ずつ暮らす大纏さんが出席されたので、インドネシアの生活環境を詳しく聞くことが出来た。
彼らの賃金は日本人感覚では決して高額ではないが、彼らからすると来日のインセンティブになっているようだ。もし生活費の一部を貯めてルピアに換金して祖国に持ち帰ると、相当の価値を生むとのことである。
元々、インドネシアには介護制度がない。介護が必要になったら、家族が世話をする。ただし、大金持ちは、ベビーシッターならぬ老人シッター(sitter、資格などない)を個人的に雇って身のまわりを世話して貰う。だから、旅行するときには、飛行機でもホテルでも皆sitterを連れての大移動となる。
年金支給は、高級官僚や大銀行勤務者などごく一部に限られる。そのため、大多数は家族に依存するので、親しい友達との会話は、将来世話をして貰うバックグラウンドになる子供、孫は何人いるかが主題になる。
インドネシアでは教育産業が盛んではあるが、大学を卒業しても就職は難しい。しかし、相続税はないので先祖伝来の資産でゆうゆう暮らす者達も多い。

自国民の看護・介護を外国人に依存しなければならない事実は、あまりにも身勝手、どこかおかしくないか。それとも、グローバル化が進む中、国際分業として当然のことなのだろうか。
外人にとって、日本語学習は非常に難しい。アイコア社開発の外人技術者向けの日本語研修プログラムは、看護・介護の分野にも応用できないものであろうか。

 


講演会レジメ

    スライド

色々調べた結果を手に熱弁の講師 多くの人が集まり盛り上がりました 2次会も盛り上がりました