第134回講演会
江戸しぐさに学ぶ
- 開催: 2017年10月28日 10:00~13:00
- 講師: 青木 まき子
江戸しぐさの師範による、得難い講演であった。
江戸しぐさは、明治時代に欧米から西洋文明が輸入される前から、日本に根付いていた高度な伝統文化と言える。
江戸しぐさを担ってきた人々は、商業活動を行う人々の中でも上層部にあたる、現代でいえば経団連の幹部たちであった。彼らは、江戸起業家の生活信条として理屈ではなく、瞬間的に生まれるアクション(目付き ・表情 ・口のきき方(ものの言い方) ・身のこなし)として「江戸しぐさ」を身に付けたが、その精神はノブレス・オブリージュであった。
お互いに共倒れしない、争いのない社会生活を送るために「講」を作り、お互いに互角で自立した平等の精神で知恵を持ち寄り、商業活動を営んだ。
ところが、西洋文明の輸入とともに「江戸しぐさ」は埋没された感がある。グローバル化とともに殺伐とした競争、殺し合いが横行する現代において、互いに相手を敬って付き合う江戸しぐさの 基本精神が、日本から世界に発信されることを願うものです。
詳細については、講師の師匠である和城 伊勢さんが執筆した『絵解き江戸しぐさ―今日から身につく粋なマナー』を参考にされたい。
http://meisternet.at.webry.info/201711/article_1.html
補:
第132回講演会「若者に伝えたい和道」の講師南さんから、「江戸しぐさは多くの地方から集まる異文化の町江戸での和をもって共存する知恵のことと考えられ、和道の本質があることにも驚きました。町人を束ねるリーダー層には経営が基になっていることも自立するためには経済を重視して共栄する和道に共通しています。」と、日本の伝統文化「和道」と「江戸しぐさの」共通点が指摘された。
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