第166回講演会
- 日時 2020年8月15日(土) 14:00~17:00
- 講師 志柿 俊朗
講師は専門の植物学の研究の傍ら、アメリカ留学時の知己を活かして、アメリカのベンチャー企業ブルーナル社の依頼で、マグロとウナギの細胞培養に関するコンサル活動を行っている。
今回はその活動の紹介であったが、うな丼の綺麗な写真に食欲がそそられる講演だった。
- うなぎの食文化
- ウナギは縄文時代から食されていて、万葉集の時代には夏痩せに良いという評判が残っているが、蒲焼きが定着したのは江戸時代に入ってからである。
- うなぎの生態
- ニホンウナギは5年から15年のあいだ日本の河川で生活した後、日本から2000km離れたマリアナ諸島付近で産卵。産卵場が特定されたのは平成23年のことで、その生態にはまだまだ不明な点が多い。
- うなぎ生産の現状
- 近年のウナギ供給量は約4万トンで、平成12年のピーク時の1/4。国内生産は約2万トンで、大半が養殖。
- ウナギ資源減少の原因は、海流の変化、河川のコンクリート護岸、天然ウナギの乱獲が考えられ、漁獲規制等の対策が取られている。
- 日本では鹿児島県が全体の4割を生産していて、以下愛知、宮崎と続く。
- うなぎの未来
- 今のままでは水産資源は早晩なくなるかもしれない。持続可能な社会を実現するためには、細胞培養の技術開発とともに、地産地消の社会を築くことが必要。
- このためには、ドル・円などの国際通貨と両替不可で、生活必需品の流通にのみ使用できる地域通貨が有効である。
![]() |
![]() |