第187回講演会
- 日時 2022年5月21日(土) 13:00~16:00
- 場所 藤沢市市民活動推進センター
- 講師 赤井 喜久枝
今回の発表は講師が16年前に発表した「マルタとトルコの旅」の回想記である。 誰しも講演をすると、言いそびれた点や改善点に気付くものだが、今回はそこが改善され、しかもビザンチン文化の栄華を偲ばせるアヤソフィアのモザイク画に焦点を当てていて、リバイバルという良かったものがさらに良くなる見ごたえのある講演だった。
- 1997年から10数年、6回かけてトルコを旅した記録で、全て旅行者自身がプランから手配までこなす手作りの旅だった。
- トルコは4世紀のビザンツ帝国時代、13世紀のオスマン帝国時代、そして20世紀のトルコ共和国時代と文明の交錯する土地であった。
- 帝国は往々にして旧文明の文化遺跡を破壊して新文化を建設しようとするが、トルコのオスマン帝国ではキリスト文明の遺跡を破壊せず、漆喰で覆いかぶせただけで、それぞれの文明を尊重していた。
- アヤソフィア博物館も、コンスタンティヌス帝王によって建てられたキリスト教会であったが、オスマントルコによりイスラム教モスクに改装され、さらに現在の博物館になって、ビザンチン文明の栄華を今に伝えている。
- モザイク画は絵具を使うのではなく鉱石や貝殻を埋め込んで描くので、退色がなく、頭上の大天井に描かれたモザイク画を下から見上げると、絵筆で描いたような精緻で微妙な表現に見え、私たちを感動させる。