第193回講演会
地域参加への障壁とは
- 日時 2022年11 月26日(土) 13:30~15:30
- 場所 茅ケ崎市高砂コミュニティセンター
- 講師 登尾 泉美
ある自治体の高齢者を対象とした調査によると、企画や運営側として関わっても良いという方は、全体の約3割。かなりの人数の方が、地域の活動に高い関心を抱いていることが分かる。
「困っている方々をお手伝いする気持ちがあるかどうか」というアンケートでは、「ボランティアでお手伝いをしても良い」が約3割、「多少の報酬があれば手伝いたい」が約2割。意外と、手伝っても良い、と考えている方の割合は多そうである。
そこで今回のディスカッション参加メンバーのボランティアに対する意識を聞いてみたところ、ある一つの結論に帰着した。「手伝って欲しい」という声がかかっていないことである。つまりはきっかけがないのである。その解決のためには、地域の困りごとを個別に具体的に説明してもらえれば、ボランティアを始めるきっかけになる(例えば、ゴミ出しで困っている人がXX人くらいいます、等)ということであった。その他、報酬に関しては、依頼する側(将来ご自身が依頼する側になったと仮定)も依頼される側も低額でも良いから報酬制度が整備されていた方が気楽であるという点である。
既に全国的に地域単位でボランティアセンター(低額の有償サービス)なるものが整備されているが、支援者が不足していると考えられる。解決のためには、具体的な支援ニーズを説明しながら、老人会や各種グループ活動に対して、支援者を求めることが考えられるだろう。また、ディスカッションメンバーから出た意見として「ボランティア同士の交流会や茶話会」等の企画を支援活動と併せてパッケージ化することで、人とつながれる楽しみも含めてボランティアに参加してみようという方が出てくるのではないかということであった。
ディスカッションメンバー自身が現在参加している活動を聞いてみても、グループ活動の主目的(たとえば英会話など)と同程度に、その場にいる方々との交流を楽しみにしている様子が確認できた。このことからも、地域の有志活動の中で、ボランティアという活動をもっと身近に取入れらえるよう、募集方法や活動方法について工夫する必要があると思われる。買い物やゴミ出しの支援も、体を動かすことになるので、「健康づくり活動」につながる。高齢社会の中で、ボタンティアを通じた老々支援をもっと活用していける可能性は十分にあると思われる。