第195回講演会
難問
- 日時 2023年1 月28日(土) 13:30~15:30
- 場所 茅ケ崎市高砂コミュニティセンター
- 講師 占部 浩一
博士の質問は「あたりまえそうでいて難しく答えに窮する」ことが多いが、その裏に隠された設問のあり方をよく理解することが重要と感じた。その幾つかを以下に示す。定量性の吟味:
- 幾つかの項目を挙げ一見対等ふうに装って量的には差のあることを見えなくさせる議論。
例:勝負には勝つか負けるかの二つしかない。五分五分だ。 - 法則の正当性
実験や実例との適合性から言われているものであって、不都合があればそのときに考えようというだけのことである。 - 存在の様式は多様
物質でも電子や光は存在の仕方が異なる。非物質的な虚数、夢、神などの存在の仕方はまた異なるものである。 - 設問のトリック
モンティホール問題の3つのドアの景品当てのようにな思い込みを利用した質問のトリックや、「アキレスと亀」のような誤りに誘い込むようなパラドックス質問もある。 - 思考を制約する言語、社会規範、法規範など
国や民族によって異なった価値観が生じる。アメリカの銃による殺人事件の多さは、彼らの銃所持は憲法で保障された当然の権利という思考にある。 - 不充分な情報
正確な知識を与えようとすると面倒なことになるので、専門家も簡単化した知識だけで済ませることがしばしばあり、結果として正しい世界観が作りにくくなる。