第18回講演会


開催: 2007年8月25日 15:00~18:00
講師: 占部 浩一



物事を的確に判断したり、決断を下すときに注意すべき事項について、示唆に富む非常に重要な指摘が多数出された。

  1. 定量的データの落とし穴
    • 定量的なデータを示されると、つい信じ込んでしまう危険があるので注意しなければならない。
    • 平均値だけで判断すると大勢を見誤ることがある。時として最大値、最小値、分散などについても考える必要がある。
    • 時系列的なデータの推移については、特定の期間に限定した変化を見ると傾向を見誤る(騙される)ことがあるので、ある程度長い期間についてデータの推移を見守る必要がある。
    • 量については、それを測る尺度を明確にしなければならない。たとえば、「50杯も飲んだ」というとき、1杯の大きさはどの位かを明らかにしないと、それが多いのか少ないのかさえ本来は判断できない。
  2. 平等の落とし穴
    • 人間は「平等である」、と言っても、身長も体重も趣味も皆違う。
  3. 国際化の落とし穴
    • なぜ、今回のようなテーマが選ばれるのであろうか。皆、仲良く性善説に立脚した人生を送れば、無用な議論ではないか。我々を取り巻く環境が穏やかで平和だからと言って、世界中が皆穏やかで平和という訳ではない。自己の利益のためには、他人はどうでも良い、という考えは幾らでも横行するのが世界の現状である。グローバリゼーションが進行し海外との交流が増すと、国内でしか通用しないあいまいな議論の仕方では海外と対等に付合えない。誰でも納得できる、「論理的思考」に基づく定量的な説得性のある説明ができなければならない。そのためには、各種データをよく整理して保存し、適切な解釈ができ、いつでも取り出せるような準備を常日頃、心掛ける必要がある。
    • 日本は海外との摩擦解消のため、譲歩して丸く収める傾向がある。それでは、複数国から相矛盾する要求を突きつけられたらどうするのか。A国を立てればB国から文句を言われ、それではとばかりB国を立てればA国から文句を言われる。要は、どこから何を言われようと、正しいことは正しい、不正は不正だと、筋を通さなければならない。
    • 靖国神社参拝に外国が口を挟むのは理不尽である。我が国の国内問題である、と断固はねつけ、口を挟むな、と政治家、マスコミ、国民が毅然と対処せずにあいまいな態度をとることは理屈に合わない、おかしいことだ。
    • 養老孟司が、「日本人は好戦的な国民だ、わずか60年でその本質が変わるとは思えない」と言っているそうである。その根拠は何か?アジアでも、日本が持たない核兵器を持つ国はいくつかあるし、日本より好戦的な国はいくらでもある。また、肉食の欧米諸国の方が日本より好戦的ではないか。むしろ、日本は島国で争いを好まない、性善説に立つ温和な国民である。
  4. その他
    • 欧米がLogical Thinking(論理思考)の重要性を指摘すればそれになびき、逆に欧米が「論理の時代は過ぎた、情緒の時代だ」と言えばまたそれになびく。何が本質か、周囲に惑わされない「定見」を持つことが重要である。
    • 神、霊の存在を否定するなら、その根拠を示さなければ、意味がない。
    • 閉鎖的集団の特徴は、離脱者を徹底的に攻撃することである。


講演会レジメ

炎暑と多忙の中で、ご講演いただいた講師を囲んで 講演会の後はみんなで暑気払い 有志差し入れのインドネシア料理とビール