第28回講演会


開催: 2008年9月20日 17:00~19:00
講師: 大纏 トシ子


10年前に起きたインドネシアのルピア大暴落。今回の発表は、たまたまそこで生活していた普通の主婦が体験した生の体験談発表であった。
このような通貨大暴落は、決して他人事ではない。いつ、日本でも似たような円大暴落が起こるとも限らないので(一部の著名人の中には、大暴落を予測する者も現にいる)、評論家とは違った、迫力ある得難い話であった。

数十年、数百年に一度しか起こらないような通貨大変動も、起こるときには極く短期間のうちに津波のように急激に押し寄せる。
1997年12月19日、インドネシア東部ジャワのトロンアグン市に講師到着。当時1ドルは約3000ルピア。1998年1月末、1ドルは約15,000ルピア。つまり、1ヶ月強の間に、ルピアはドルに対し、実に1/5に急落した。

現実に起こった社会不安とは、どの銀行の前にも預金をおろす人々が群がり、先を争って預金を下ろし始めた。
政府は、ルピアを緊急に集める目的でなんと銀行の利子を年63パーセントに引き上げた(6.3%ではない)。パニックになると、63%という高利でも、国民は銀行に預けないで引き出す一方のため、銀行は多数倒産した。ドル建てで海外と取引をしていた多くの企業も同時に倒産が続出、町には失業者があふれた。
オーストラリアやアメリカに子供を留学させていた家庭では、あまりのルピア安(ドル高)で、留学をあきらめるケースも。
普段、恨みを買っている人々は、復讐される。商店の焼き討ち、略奪、強盗、強姦など特にそれまでインドネシアの経済を握っていた華僑の人々が主に狙われ、大変な被害を受けた。食料として欠かせない、米、食料油、砂糖などが不足し、スーパーの店先からそれらの品がある日突然姿を消した。華僑の買い占めによる。インドネシアでは、食料が売られなくても、豊富な野菜や果物が自然にあるので、餓死者はでなかった。これが日本だったら、そうはいかない。
混乱に乗じて、失う人と稼ぐ人の明暗が分かれる(二束三文で土地を売って海外逃亡する人、チャンスとばかり安い土地を買い占める人)。

日本政府は、当時インドネシアに滞在していた日本人に対し、急遽強制帰国命令を出し、自衛隊機も出動し、専用機で邦人を輸送した。

急激な通貨変動への備え(外貨保有など)、食糧の確保(市場から食料品が消えても食っていけるよう、農家とのチャネル作り)、平素からの信頼関係の構築、などの平生からの備えが必要であることを、今回の講演を通して学ぶことができた。詳細は、レジメを参照されたい。

 

    講演会レジメ

臨場感あふれる講師の熱弁 ゲスト2名も参加し、熱心に聞き入る