第43回講演会


開催: 2010年2月13日 16:00~18:00
講師: 岡島 さやか

フィンランドは、経済協力開発機構(OECD)の国際的な学習到達度調査(PISA)でトップの成績をあげる注目すべき国である。
そのフィンランドの小学校に2008年から2009年にかけて一年間、日本の一大学生が飛び込む。半年間ずつホームステイと一人暮らしをしながら南北合わせて14の小学校を回り、時には先生役で日本に関する話や折り紙をしたり、時には補助教員として授業を手伝ったり、時には児童として一緒に授業を受けたりしながら現地小学校につかる。
今回は、その生の報告であった。

大きな特徴を列挙する。

  • 学校やその規則と子供の関係は、日本では学校やその規則を中心において、いかに子供をそれに順応させるかが問われるが、フィンランドでは全く逆だ。子供を中心において、いかに学校やその規則を順応させるかが求められる。
  • 小学校入学は、多くは7才であるが、子供の成長に合わせて6才で入学する子供も8才で入学する子供もいる。親と保育所との話し合いで決められる。
  • 入学した後の成長によっては、小学校低学年でも留年することは珍しくない。日本では留年すると親も子も肩身の狭い思いをする。その話をフィンランドですると、「子供の成長に合わせた進級、留年が本人にとってベストの選択ではないか。何故、日本ではそう考えないのか?」と不思議がられる。
  • 教科書は使っても良いし、使わなくても良い、複数使っても良い。学校、教師に選択が任されている。
  • 1クラスは、10-25人程度かそれ以下。補助教員や心理カウンセラーもつく。遅れた子供には補修や取りだし授業が行われる。
  • 教師は人気のある職業で、優秀な人材が集まると言われるが、給料は決して高くないので副業しなければ生活出来ないケースも。それでも、国際的に役立つ子供達を育てたいという、志望動機で教師になることが多いようだ。
  • 要は、価値観が日本と180度違うのだ。フィンランドが教育に力を入れるのは、国の将来を築くのは人材である、という確固たる理念に基づく投資であることが感じとられた。
  • このような教育システムの効果は上がりつつあり、ITなどのサービス産業が大いに発達してきたし、家具などの工芸品も国際的な評価を得ている。


講演会レジメ

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